施工管理技士の実務経験を虚偽申請していた件のまとめ

施工管理技士の資格を取得するためには、当該業務の実務経験がなければ取得することはできませんが、その実務経験を偽って申請し、資格取得する事件が発覚しています。

それにより、国交省からも不正行為に対する注意喚起がされています。

2019年10月の大和ハウス工業を皮切りに、東レ、西武ホールディングスと大きい会社の施工管理技士の資格不正取得が明るみになっています。

いずれも内部告発からの発覚だと思いますが、これからも出てきそうな気がしますね。

今回は現時点までで発覚している、施工管理技士の実務経験虚偽申請事件をまとめました。

2019年10月 大和ハウス工業 施工管理技士

過去最大の施工管理技士資格の不正取得が明るみになった事件です。

業界大手ということもあり、虚偽申請者、虚偽申請取得資格数もなかなかのボリュームです。

  • 虚偽申請者:349名
  • 虚偽申請取得資格:422個

不正取得内訳

  • 1級建築施工管理技士 21
  • 1級土木施工管理技士 115
  • 1級電気工事施工管理技士 178
  • 1級管工事施工管理技士 44
  • 1級造園工事施工管理技士 32
  • 2級建築施工管理技士 5
  • 2級土木施工管理技士 10
  • 2級電気工事施工管理技士 4
  • 2級管工事施工管理技士 7
  • 2級造園工事施工管理技士 6

合格を取り消すとともに、3年以内の期間を定めて技術検定の受検を禁止する措置が取られました。

しかし、1級電気の 178人はすごいですね。

2020年3月 東レの子会社 1級土木施工管理技士

東レの子会社「水道機工株式会社」「株式会社水機テクノス」で発覚した不正取得事件です。

水道機工株式会社

  • 虚偽申請者:66 名
  • 虚偽申請取得資格:127個

株式会社水機テクノス

  • 虚偽申請者:40 名
  • 虚偽申請取得資格:81 個

となっています。

内訳は公表されていないようです。

第三者委員会による調査レポートがウェブサイトで公開されています。

https://www.suiki.co.jp/topic/files/suidokiko_0074.pdf

 

ちなみに、役員名で作成された試験マニュアルには、

  • 「皆さんは、実際に『土木』工事経験のない方がほとんど。しかし、やり方次第では見事に“合格”を勝ち取った方もいます」
  • 「実際に工事をした人にしか分からないエッセンスを“それらしく”盛り込むかがカギ」

というような記載があったそうです。。。

 

2020年6月 西武ホールディングス 施工管理技士

西武ホールディングス(HD)は、西武建設など連結子会社4社の役員や社員計65人が、「施工管理技士」などの国家資格の試験を不正に受験し、資格を取得していたと発表しました。

西武建設株式会社

  • 虚偽申請者:27名
  • 虚偽申請取得資格:34個

不正取得内訳

  • 1級建築施工管理技士 2
  • 1級土木施工管理技士 14
  • 1級造園工事施工管理技士 4
  • 2級建築施工管理技士 2
  • 2級土木施工管理技士 12

西武造園株式会社

  • 虚偽申請者:35人
  • 虚偽申請取得資格:56個

不正取得内訳

  • 1級建築施工管理技士 1
  • 1級土木施工管理技士 14
  • 1級造園工事施工管理技士 16
  • 1級電気工事施工管理技士 1
  • 1級管工事施工管理技士 1
  • 1級建築機械施工技士 1
  • 2級建築施工管理技士 1
  • 2級土木施工管理技士 12
  • 1級造園工事施工管理技士 9

横浜緑地株式会社

  • 虚偽申請者:1人
  • 虚偽申請取得資格:1個

不正取得内訳

  • 2級土木施工管理技士 1

西武緑化管理株式会社

  • 虚偽申請者:2人
  • 虚偽申請取得資格:2個

不正取得内訳

  • 1級建築施工管理技士 2

合格を取り消すとともに、3年以内の期間を定めて技術検定の受検を禁止されました。

 

各社とも、1級と2級の土木施工管理技士の不正取得が目立っています。

西武ホールディングス系列では、土木の施工管理技士が不足しているということなのでしょうか。

まとめ

国交省の、実務経験不備の事案の受験者のまとめとして、実務経験不備のパターンは以下の3つと言っていて、

  1. 実務経験が認められない工事内容
  2. 実務経験の重複
  3. 計上できない工種の実務経験

しかも、所属企業側として、要件を十分に認知していないことと、受検者の実務経験の管理・チェックも不十分であることが原因と言っています。

そして、受検者に対して、実務経験に関する注意喚起のチラシを同封し、実務経験の不備等の防止を図っているようです。

国交省 実務経験不備事案の概要について

が、個人的には、これって割と性善説に則った側の話だと思います。

そもそも会社ぐるみでの不正が行われている場合は、このようなチラシを入れたところで、何の効果もない気がします。

ある記事には、以下のような書き込みもあるくらいです。

ハウスメーカーだけではありません。大手ゼネコンに限らず、地元の工務店に至るまで日常的に行われてることです。一概に違反といえない事例も多々あるはずです。
綿密に調査を行うと、業界が大変なことになるんじゃないかな

裏には深刻な資格者不足の実態があり、嘘の経歴書に社印を平気で押してたのでしょう。

地方の設備工事会社も同じ。
施工管理だけでなく工事士も未経験で会社挙げての不正行為推進の実態。

「資格者不足」という話も現実的にそうなんだろうと思いますが、だからと言って不正取得するというのは話が違います。

しっかりとチェックできる体制を整えるしかないと思います。

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