「適用除外」となる条件。医療保険(健康保険)、厚生年金、雇用保険について

作業員名簿の社会保険欄への「適用除外」。これを見ると気が重くなりませんか。(適用除外が悪いわけでありませんが)

どうしてこの人は適用除外なのか、また、適用除外でよいのかの判断に頭を悩ませたりしていませんか?

でも、適用除外の基準となる資料が国交省から出ています。

今回は、その資料を基に、医療保険、年金、雇用保険が適用除外となるパターンについてまとめてみました。

医療保険(健康保険)、厚生年金、雇用保険が適用除外となる条件

医療保険(健康保険)が適用除外となる人

医療保険とは、病院(医療機関)で医療費を支払う際、その一部(または全部)を負担してくれる保険の事です。

医療保険というと、民間の保険会社でも取り扱いがあるので、混乱するかもしれませんが、ここでは民間保険会社の医療保険ではなく、「組合健保・協会けんぽ(社会保険)」や「国民健康保険」などの公的医療保険についてのお話です。

なお、この医療保険で適用除外となっている人でも、国民健康保険や国民健康保険組合には個人で加入することになります。

医療保険が適用除外となるパターンは以下です。

  • 常時使用される者が5人未満の個人事業所で、且つ適用事業所ではない※1場合
  • 個人事業主と、その家族従業員
  • 短時間労働者(1週間の所定労働時間、及び、1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満である者)
  • 臨時に使用される者であって、以下のいずれかに該当する者
    1、日々雇い入れられる者(1ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
    2、2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(2ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
  • 事業所又は事務所で所在地が一定しないものに使用される者
  • 季節的業務に使用される者(継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く)
  • 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く)
  • 国民健康保険組合の事業所に使用される者
  • 後期高齢者医療の被保険者となる者
  • 厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険者でないことにより国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る。)等

※1 常時使用される者が5人未満でも、事業所で働く半数以上の人が適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣(日本年金機構)の認可を受けることで適用事業所になることもできます。

医療保険についてはかなりのパターンがあるので、どれに当てはまるか確認するのは結構大変ですね。

厚生年金が適用除外となる人

年金はリタイア後に支給される保険で、日本の公的年金制度は国民全員(20歳以上60歳未満)が加入する基礎年金(国民年金)と、国民年金に上乗せされて給付される厚生年金があります。

いわゆる会社員、従業員は会社の厚生年金に加入することになりますが、個人事業主などは厚生年金に加入することはできません。

なお、厚生年金に適用除外となる人も、国民年金には必ず加入(20歳以上60歳未満)しています。

厚生年金が適用除外となるパターンは以下です。

  • 常時使用される者が5人未満の個人事業所で、且つ適用事業所ではない※1場合
  • 個人事業主と、その家族従業員
  • 短時間労働者(1週間の所定労働時間、及び、1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の4分の3未満である者)
  •  臨時に使用される者であって、以下のいずれかに該当する者
    1、日々雇い入れられる者(1ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
    2、2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(2ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
  • 事業所又は事務所で所在地が一定しない者に使用される者
  • 季節的業務に使用される者(継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く)
  • 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く) 等

※1 常時使用される者が5人未満でも、事業所で働く半数以上の人が適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣(日本年金機構)の認可を受けることで適用事業所になることもできます。

年金保険でも適用除外のパターンは結構ありますが、医療保険よりはましですね。

雇用保険が適用除外となる人

雇用保険とは、労働者が失業して所得がなくなった場合に、生活の安定や再就職促進を図るために失業給付などを支給する保険の事です。

そのため、事業主、代表者、役員などは雇用保険へ加入することができませんので、適用除外となります。
※ただし、使用人兼務役員(例えば、取締役・工事部長)について、使用人部分は加入可

事業主などは分かりやすいのですが、労働者側が少々厄介です。

労働者として適用除外となるのは以下です。

  • 1週間の所定労働時間が20時間未満である者
  • 同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用されることが見込まれない者
  • 季節的に雇用される者であって以下のいずれかに該当する者
    1、4ヶ月以内の期間を定めて雇用されるもの
    2、1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満であるもの
  • 大学や専修学校の学生
  • 生徒等であって厚生労働省令に定める者

適用除外理由で一番少ないのはこの雇用保険です。労働者で短時間や短期労働者、学生以外は適用除外になることはありません。

参考にした資料はコチラ
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001365219.pdf

一人親方の場合の社会保険はどうなるの?

一人親方の場合は、

  • 医療保険:国民健康保険(任意継続で健康保険組合への加入が可能な場合も)
  • 厚生年金:国民年金
  • 雇用保険:適用除外

となります。

なお、一人親方は会社や事業所の労災に加入できませんので、一人親方の特別労災に加入することで労働災害時の補償を確保します。

元請によっては、一人親方の特別労災に加入していないと現場への入場を認めてもらえないこともあります。

まとめ

以前は作業員の社会保険の加入状況までは詳しく見られないこともありましたが、事業所単位での社会保険の加入率がほぼ100%に近くなってきた昨今、これからは作業員さんの社会保険の加入状況のチェックが厳しくなってくると思います。

いままでは「なあなあ」で来られたかもしれませんが、今後はきちんと加入していないと現場に入場することができないこともあるかもしれません。

ただ、「適用除外」自体に問題があるわけではないので、適用除外である理由がしっかりしていて説明ができればよいわけです。

というわけで、今回の記事の内容で適用除外の理由を説明できるようになると幸いです。

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