一人親方でも主任技術者の設置は必要か不要か。その時の資格は?
施工体制台帳や再下請負通知書の項目としてある「主任技術者」。
一人親方の場合でも、この主任技術者の設置は必要なのか、また、必要な場合は、その際の資格について調べてみました。
一人親方での主任技術者って設置しないといけないの?という方の参考になれば幸いです。
目次
一人親方でも主任技術者の設置は必要?施工体制台帳・再下請負通知書
主任技術者の設置ですが、一人親方の場合はほとんどの場合で不要です。
「ほとんどの場合は不要」ということは、一人親方でも主任技術者の設置が必要な場合があります。
それは、
建設業許可を取得している場合
です。
一人親方でも主任技術者の設置が必要になるの?
500万円以下の軽微な工事の場合は主任技術者の設置が不要と思っている人もいると思います。
私もそうなんだと思っていました。
ですが、実はそうではなく建設業の許可を取得しているか、いないかによって、主任技術者の必要、不要が変わってくるのです。
建設業法 第二十六条第一項によると
第二十六条 建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。
とあります。
この文章だけ読むとどんな場合でも主任技術者を設置しなければならないのではないか?と思ってしまいますが、ここでのポイントは冒頭の「建設業者は」です。
建設業法でいう建設業者とは、許可を受けて建設業を営む者をいう、と建設業法の第二条第3項に記されています。
そのため、建設業の許可を取得していないものは該当しないので、設置は不要ということになります。
一人親方だから主任技術者の設置が不要だと思っていた
上記の通り一人親方だから主任技術者の設置が不要なのではなく、建設業許可を取得していないので主任技術者の設置が不要というのが正解です。
ただ、たいてい、500万円以下の軽微な工事は建設業の許可を取得していない業者や一人親方に依頼することが多いので、そのように認識をしても不思議ではありませんが。
よって、500万円以下の軽微な工事であっても、建設業の許可を取得している場合は、主任技術者を設置しなければなりませんので、注意が必要です。
ちなみに、一人親方で建設業許可を取得している人はかなり少ないと思います。
建設業許可を得るための条件はかなり厳しいですからね。
詳しくは以下の国交省のサイトをご覧ください。
一人親方が主任技術者として設置する場合の資格要件は?
これは一人親方だろうが、普通の主任技術者の資格要件と一緒です。
主任技術者の資格要件は以下の資料が分かりやすいのでリンクしておきます。
一人親方で建設業の許可を取得している場合は、主任技術者の要件はクリアしているはずだと思いますので、主任技術者は一人親方自身を設定すれば問題ありません。
建設業許可を取得していない場合、主任技術者の欄はどうすればよい?
ここまで説明した通り、一人親方に関わらず、建設業許可を取得していない場合は、主任技術者の設置は不要です。
その場合は、施工体制台帳、再下請負通知書の主任技術者の欄は、以下のように斜線を引いておけば大丈夫です。
もし、元請さんや上位下請さんに何か変なことを言われたら、以下の近畿地方整備局から出ている資料を確認するように言ってもらえば大丈夫だと思います。
29ページ目に以下の記載があります。※ここで言っている「軽微な建設工事」というのは、500万円以下の工事を指しています。
○主任技術者許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合には、主任技術者を置かなければなりません。
軽微な建設工事しか請負わず、建設業の許可を得ずに建設業を営む者については、主任技術者を置かなければならないとする義務はありません。
しかし、近畿地方整備局さんの資料は本当によくできています。
内容が分かりやすいことはもちろんのこと、最新の情報への更新をしっかりされている点など素晴らしいの一言です。
全ての役所の担当者がこの近畿地方整備局さんの資料をもとに検査をしてくれたらよいのに、、、とか思いますが、まぁ、そうもいかないのかも。