1億円以上の現場は建設キャリアアップシステムの登録が必須に?
日本建設業連合会(以下、日建連)は建設キャリアップシステム(以下、CCUS)を普及させる狙いで、会員が携わる4月以降の工事で請負金額が1億円を超える工事現場については、基本的にCCUSに登録して、現場にカードリーダーを設置する方針としました。
これはいよいよCCUSに登録してないと仕事もらえなくなるかも?
1億円以上の現場は建設キャリアアップシステムの登録が必須に?
日建連は会員の4月以降の工事で1億円を超える現場はCCUSに基本的に登録しカードリーダを設置することとし、また、技能者の就業履歴を蓄積するために、カードリーダーへの登録(カードタッチ)を5割以上にするという目標を追加したようです。
「現場にカードリーダーがない」
「所有していてもカードタッチが不十分」
という、技能者と元請け会社の両者の意見を反映した対策になっています。
さらに建退共についても推し進めることを理事会で決議したようです。
建退共は2020年12月にCCUSを活用した電子申請方式が開始される予定ですが、それ以降は公共・民間工事ともに新規の工事については
- CCUSを利用した建退共の電子申請方式の活用
- CCUSカードタッチ技能者への建退共掛け金の完全支払い
をすすめるとのこと。
国土交通省では2023年を目標にしていますが、日建連はそれよりも前にいろいろと実施できるようにすすめるようです。
2020年9月以降に契約締結する会員の登録現場では、カードタッチをした技能者には確実に310円の建退共掛け金を支払うようにするとしています。
CCUSに登録していると優遇される?
また、この日建連の方策には、
- CCUSにへ熱心な下請けへの優先発注
- CCUS活用による社会保険加入確認
- 国土交通省などのCCUS義務化モデル工事やCCUS活用推奨モデル工事などへの積極的な参加
も盛り込まれています。
ということは、CCUSに加入していないと仕事が回ってこなくなる恐れも。。。
というのはちょっと考えすぎかもしれませんが、「優先発注」というのはされるようです。
日建連のCCUSへの取り組みロードマップ
日建連が2018年(かな?)に策定したもともとのロードマップでは、
事業者登録は
- 「中期には、登録現場に入場するすべての事業者の登録完了を目指す。」
技能者登録は
- 「中期には、登録現場に入場する技能者のカード保有率80%以上を目指すとともに、70万人の技能者登録を目指す。」
現場登録は
- 「中期中に、現場登録率を80%以上とすることを目標とする。」
でした。
※中期とは、(2019年10月~2021年3月の18ヶ月間を指す)
今回の内容は上記の方針に追加してさらにCCUSの普及を加速させるという狙いからでしょう。
2018年策定のロードマップはこちら
ちなみにCCUSの3月末時点の現場登録は累計約1万5000カ所、技能者登録は約22万人で、その大半が日建連会員に関係するといわれています。
なので、日建連の会員はかなりの勢いで登録を進めているのですが、それでもやっぱり危機感があるようですね。
日建連の会員企業、建設会社とは?
ところで日建連と言っても、一体どんな会社が日建連に属しているか知らない人もいるのでは?と思い調べてみました。
日建連の会員企業、建設会社は総勢154社です。(投稿時点)
その中にはスーパーゼネコンの
- 清水建設
- 鹿島建設
- 大林組
- 竹中工務店
- 大成建設
も含まれています。
さらに、大手ゼネコンの
- 長谷工コーポレーション
- フジタ
- 戸田建設
- 五洋建設
- 前田建設工業
- 安藤ハザマ
- 三井住友建設
- 熊谷組
- 西松建設
- 東急建設
も含まれています。
その他の会員一覧はこちらからどうぞ
こういったゼネコンさんと取引がある場合は、すでにCCUS登録が済んでいるかもしれませんが、この波はスーパーゼネコン、大手ゼネコンに関わらず押し寄せてくるでしょう。
当サイトでもCCUSについての記事をいくつか挙げていますが、取り残されることがないように、今後も頻繁に取り上げていこうと思います。