AutoCADの永久ライセンスはどうなった?スタンドアロンライセンスがあるCADとは
AutoCADは2016年にサブスクリプションサービス(以下、サブスク)に完全移行してしまいました。
そのため、現行製品では永久ライセンスでの購入はできなくなっています。
一件、値段が下がったように見えますが、長期で使う場合はその負担は相当なもの。
それに毎年購入とか更新手続きしなきゃならないのは面倒、という人も多いはず。
そんな方のために、このページではAutoCAD互換で永久ライセンス、スタンドアロンライセンス(要は買い切り版)のあるCADをご紹介しています。
目次
AutoCADの永久ライセンスはどうなった?スタンドアロンライセンスがあるCADとは
AutoCADはサブスクのみに切り替わってしまったので、困っているユーザーもいるのではないかと思い、買い切りの永久ライセンス、スタンドアロンライセンスがあるCADソフトを調査しました。
ここでご紹介しているCADは全てAutoCAD互換※なので、AutoCADを使っていた人でも戸惑うことなく移行できるものばかりです。
※ここで言う互換とは、操作性がAutoCADと近くスムーズに切り替えができる、という意味の互換です。AutoCADのすべての機能が使えるわけではありませんので、その点はご注意ください。
AutoCAD互換CADの一覧
まず、AutoCAD互換で、永久ライセンス、スタンドアロンライセンスがある製品を一覧にしたものが以下です。
IJCAD | TurboCAD v26 | ZWCAD Std | BricsCAD Classic | ARES Standard | |
価格 | 55,000円 | 19,800円 | 88,000円 | 69,000円 | 48,000円 |
AutoCAD互換 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
無料体験版 | 〇 30日間 | 〇 30日間 | 〇 30日間 | 〇 30日間 | 〇 30日間 |
DWG対応 | 〇(入出力) | 〇(入出力) | 〇(入出力) | 〇(入出力) | 〇(入出力) |
PDF対応 | 〇(出力) | 〇(出力) | 〇(出力) | 〇(出力) | 〇(出力) |
DXF対応 | 〇(入出力) | 〇(入出力) | 〇(入出力) | 〇(入出力) | 〇(入出力) |
現在のAutoCAD LTのサブスク1年が68,200円ですが、永久ライセンスにも関わらずAutoCADの価格を下回る製品もあります。
各製品、価格以外の機能では大きく変わるところはありませんが、各製品でそれぞれ特長がありますので、各製品の特長を理解したうえで購入した方が良いです。
IJCAD
IJCADは、AutoCADユーザーが戸惑うことなく利用できるよう各種コマンド・ダイアログデザインの雰囲気をAutoCADに似せて作られている製品です。
そのため、他の互換CADにありがちな「コマンドが見つからない」「設定がわからない」と戸惑うことは、ほとんどありません。
AutoCADユーザーであれば、移行のためのトレーニングなしに直ぐに使い始めることができるCADで、AutoCADからの乗り換えユーザが多いCADでもあります。
TurboCAD v26
TurboCADはAutoCAD互換のCADソフト。
最新版では、インターフェイスカスタマイズ機能が強化され、リボンインターフェイスに切り替えることも可能です。
図面中にイメージデータを挿入したドキュメント作成も可能で、.DWG、.DXF、.PDFを含む20を超える業界標準のCADおよびグラフィックファイル形式をサポートします。
そして、TurboCADの最大の特徴は値段です。
20,000円以下で永久ライセンスの購入ができるのですから、かなり魅力的な製品です。
AutoCADで作られた図面を開いてちょっと編集するくらいなら、TurboCADで十二分です。
ZWCAD Std
ZWCADはAutoCAD互換のハイパフォーマンス2次元CADです。
AutoCAD12-2018までのファイルをそのまま開くことができます。
AutoCADコマンドの約80%をサポート。
既存のAutoCADで作成したlisp,ARX*,.Net*などのカスタマイズプログラムを簡単に移行できます。
IJCADと同じくらいAutoCADとそっくりなので、こちらもAutoCADからの乗り換えがスムーズにできるCADです。
BricsCAD Classic
BricsCADはベルギーの会社のCADです。
安価なライセンスですが、製図機能もハイエンド製品に匹敵するほど使いやすく、かつシステムの安定性と信頼性に優れたCADです。
作図概念、コマンドエイリアスはAutoCADとほぼ同じです。
鹿島建設はAutoCADからBricsCADへ切り替えているそうです。
ARES Standard
「ARES (アレス)」(旧製品名:JDraf)は、ドイツ産の低価格ながら業界標準CADと同じように使用できるDWG互換CADです。
DWGの他、JWW・SXF等 多様なファイル形式に対応。製図にて便利なツールも搭載し、APIカスタマイズも可能。
また、デスクトップPCに限らず、スマートフォンやタブレット等のモバイル、クラウド上でもCADの使用が可能となるCADです。
ARES専用の無償アドオンソフト”JTools”をインストールすれば、jww・sfc・p21の読み込み、sfc・p21の書き出しも可能です。
しかも、「JTools」をインストールする事で、「ARES」を「jw_cad」と同じような操作で作業できる環境が実現されています。
AutoCADにこだわる理由はなんですか?
これだけAutoCAD互換の安価なCADがあるにもかかわらず、どうしてAutoCADを購入してしまうのでしょうか。
「AutoCADじゃないとね」という人に限ってAutoCADの機能を活用できていなかったりするので、完全なる思い込みでしょう。
まだ、「ブランド」とか「実績」とか言ってくれれば救いがあるものの、そうじゃなければ新しいものへの単なる不安、怖さでしかありません。
その「不安、怖さ」のために何万円も無駄にしたいですか?
建築系の無料のCADには、JW CADがあります。
ただし、AutoCADとは明らかに操作性が違いますので、「操作が分からない」という理由からAutoCADを選択する理由はわかりますが、ここでご紹介しているCADはAutoCAD互換なので、見た目や操作性が大きく変わることはありません。
それでもAutoCADに固執し続けるのは、ばかげているとしか思いませんか。
2015年の時点で、AutoCAD互換CADは実用性に問題がないとスーパーゼネコンの担当者も言っています。
https://ieiri-lab.jp/success/2015/03/dwg-cad-usability.html
とりあえず、どのCADも無料の体験版があります。
まずはそれを試したうえで、それでもAutoCADでなければならない場合は、AutoCADにすればよいと思います。
AutoCADの永久ライセンスは購入することはできないのか
残念ながらAutoCADの永久ライセンスはもう購入することはできません。
そのため、現在AutoCADを購入する場合は、サブスクでの購入になります。
期間は「1ヶ月・1年間・3年間」の3種類。
LTであれば1ヶ月8,800円、1年間68,200円、3年間183,700円です。
1ヶ月、1年間の利用であれば以前よりも買いやすくなっています。
以前の永久ライセンスが3年の値段と同等くらいだったので、3年で買い替えている人はそれほど高くなっているわけではありません。
期間内であれば、常に機能や操作感が新しい「最新バージョン」が利用できるので、新しいバージョンのたびソフトを購入・アップデートする必要はなくなっているのもサブスクのメリットではあります。
どうしても永久ライセンスを購入したいということであれば、ヤフオクなどで手に入れる方法もあると思いますが、保守プランにも入れない、入れたとしても馬鹿みたいに高くなってしまうので、今から永久ライセンスを購入するという選択肢はないでしょう。
ちなみにヤフオクで売っていたとしても、10万円以上で取引されています。
そこまで出すのであればあれば、絶対サブスクの方をおすすめします。
AutoCADはLTも含めて季節に応じてセールが開催されます。安く買うならこのタイミングで買いましょう!
なお、AutoCADはセールを時々やっています。
セール時はライセンス価格が、10%〜25%オフになったりと大変お買い得ですが、セールはゲリラ的に行われるので、まめに公式サイトをのぞいてみることをお勧めします。