施工体系図の書き方と記入例から掲示方法の説明まで
施工体系図は、下請負人の施工分担関係までの現場の施工体制を一目で分かるようにした図のことです。
このページでは、施工体系図の書き方、記入例などをご紹介しています。
また、施工体系図のエクセル版のダウンロードや掲示方法、体系図を入れるためのケースも紹介しています。
目次
施工体系図の書き方、記入例
施工体系図は全建統一様式だと、「第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図」に該当します。
長い名前なので、一般的に「施工体系図」と言われているものです。
- 下請業者も含めた全ての工事関係者の施工体制を把握
- 施工に対する責任と工事現場における役割分担を明確にする
- 主任技術者、専門技術者の配置の確認
などを目的に作ります。
建設業法でも以下のように定められています。
公共工事、民間工事問わず、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者で当該建設工事を施工するために締結した下請負契約の総額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上になるときは、施工体制台帳及び施工体系図(以下「施工体制台帳等」という。)を作成しなければなりません。
※令和5年1月1日から下請負契約の総額が4,000万円→4,500万円(建築一式工事の場合は6,000万円→7,000万円)へ引き上げられました。
建設業法施行規則として、施工体系図に必要な事項は以下の通りです。
現場に関する事項
- 工事の名称
- 工期
- 発注者の名称
元請に関する事項
- 作成した建設業者の名称
- 監理技術者の氏名
- 専門技術者の氏名※
- 担当工事内容※
※「専門技術者の氏名」と「担当工事内容」は、専門技術者を置く場合に記載
下請に関する事項
- 下請負人の名称
- 工事内容
- 工期
- 主任技術者の氏名
- 専門技術者の氏名※
- 担当工事内容※
※「専門技術者の氏名」と「担当工事内容」は、専門技術者を置く場合に記載
定められた事項は以上ですが、全建統一様式第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図の書式にはそれ以外にも
- 元方安全衛生管理者
- 会長:統括安全衛生責任者
- 副会長
の記載箇所があります。
※なお、当サイトで配布している書式にはありませんが、「書記」の欄があるタイプもあります。
全建統一様式第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図のダウンロード
全建統一様式第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図は以下のページからダウンロードできます。
施工体系図の掲示方法
工事現場に掲示しなければならない施工体系図ですが、その掲示方法にはいろいろな方法があります。
掲示方法も様々なので、その掲示方法をいくつかご紹介します。
施工体系図の掲示義務(建設業法第24条の7第4項)
そもそも、施工体系図は掲示の義務が建設業法により定められています。
建設業法第24条の7第4項
特定建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該建設工事における各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し、これを当該工事現場の見やすい場所に掲げなければならない。
とあるわけです。
ということから、工事現場にはもれなく施工体系図が掲示されています。
見やすい場所ということから、通常は仮囲いのどこかに掲示されていると思います。
施工体系図の掲示例 写真
一般的な掲示方法としては、仮囲いに掲示板を貼ってそこに掲示する方法です。
こんな感じですね。
あとは、直接仮囲いに掲示している場合もあります。
一般的な掲示方法としては、
- 専用のケースを仮囲いやその仮囲いに作っている掲示板に貼り付けて
- エクセル等で作成した施工体系図をプリントアウトして
- 専用のケースに入れる
という掲示方法だと思います。
施工体系図の掲載ケースいろいろ
工事現場には必ず施工体系図を掲示しなければならないので、いろんなケースが販売されています。
通常サイズの指定はないと思いますが、A3判を貼っていることが多いと思います。
施工体系図を透明カバーをゴムマットで開閉できるタイプ
透明のカバーがゴムマグネットで閉じられる構造になっています。開口は下側になっているので、雨が入る可能性も低くなっています。
■まずはA3の1枚タイプです。(画像をクリックすると購入サイトへリンクします)
■A3の2枚タイプです。
■A3の4枚タイプです。
アルミケーススライド挿入式
こちらは、ケースがアルミになっていて透明カバーをスライドして上から挿入する方式です。透明カバーのゴムマグネットタイプよりも頑丈です。
A3サイズの1枚ものです。
■おまけ
最後にA3ではなくA1で透明のカバーがゴムマグネットで閉じられるタイプです。A1なのでかなり大きいですが、視認性は良くなります。