安全書類・グリーンファイルとは?無料でダウンロードできます

工事に欠かせない安全書類。グリーンファイルとも呼ばれることがある書類。

この文書は、元請け企業が下請け企業から受け取る、作業現場の安全管理や作業員の配置に関する詳細情報を含んだ書類です。

目的としては、作業の進行状況や安全対策を元請け企業が正確に理解することにあります。

グリーンファイルの適切な管理と利用は、工事現場の安全を守る上で欠かせない要素です。

これにより、事故のリスクを減らし、全ての作業員の健康と安全を確保することができます。

特に公共工事ではこの安全書類が揃っていないと、工事評点が下がって大変なことになります。

安全書類・グリーンファイルとは?無料でダウンロード

「安全書類」という言葉はよく聞きますが、結構人によって指している書類が違ったりします。

また、各ゼネコンによって微妙に書式は違ったりもしますので、どこからどこまでが安全書類か曖昧な場合もありますが、基本は下記の書類をまとめたものです。

当サイトでは、全建統一様式をベースとした書式をご紹介しています。

全建統一様式が必ずしも正ではないのですが、やはりある程度の決まった形がないと、作成側も、チェックする側も大変なので、デファクトスタンダードとして全建統一様式が使われていることが多いですね。

当サイトでは無料で安全書類・グリーンファイルのエクセルフォーマットをダウンロードできるようにしていますので、自由に使ってください。

施工体制台帳関係

  • 第1号ー甲 再下請負通知書(変更届)
  • 第1号ー甲ー別紙 外国人建設就労者等現場入場届書
  • 第1号ー乙 下請負業者編成表
  • 第2号 施工体制台帳作成建設工事の通知
  • 第3号 施工体制台帳
  • 第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図
  • 第5号 作業員名簿
  • 参考様式第1号 施工体制台帳(工事担当技術者)
  • 参考様式第2号 施工体制台帳(監理(主任)技術者用名札)

 

労務安全関係

  • 第6号 工事安全衛生計画書
  • 第7号 新規入場時等教育実施報告書
  • 第8号 安全ミーティング報告書
  • 第9号 移動式クレーン / 車両系建設機械等使用届
  • 第10号 持込機械届済証
  • 第11号 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届
  • 参考様式第3号 安全衛生計画書 安全衛生計画書の書き方、記入例
  • 参考様式第4号 新規入場者調査票
  • 参考様式第5号 作業間連絡調整書
  • 参考様式第6号 持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届
  • 参考様式第7号 持込機械届済証
  • 参考様式第8号 工事・通勤用車両届
  • 参考様式第9号 火気使用願

元請会社はこれらの書類をリングファイルなどにまとめ、現場事務所で保管しなければなりません。

この書類がないと特に公共工事の場合は、工事評点に響いてしまいますので、元請会社は必死にかき集めるわけです。

1次下請業者、2次下請業者は、自社に必要な書類のみ記載し元請業者に提出します。

ここからは各書類について簡単に解説していきます。

提出を求められる主なグリーンファイル

グリーンファイルと言っても、その書類の種類は数多く、プロジェクトの規模や特性、さらには元請け企業の方針によって必要とされる書類も変わってきます。

それぞれの書類には、作業の安全性を高めるための具体的な指示や、万が一の事態に備えた対策が記載されており、現場作業員だけでなく、プロジェクト管理者にとっても必携のアイテムとなっています。

提出を求められることが多いグリーンファイルについて解説していきます。

第1号ー甲 再下請負通知書(変更届)

再下請負通知書は、業務をさらに他の企業に委託する際に必要となる書類です。

この再下請負通知書には、自社がどのような工事を担当しているか、そして元請けから受託したプロジェクトの詳細が記されます。

さらに、そのプロジェクトの一部をどの再下請会社に、どのような形で再委託するかの情報も含まれます。

このプロセスを通じて、プロジェクトの元請け企業は、工事やプロジェクトに関わる全ての下請け会社の情報を一元的に把握することができます。

これにより、プロジェクトの進行状況や品質管理、さらにはリスク管理においても、より効果的な対策を講じることができるようになります。

再下請負通知書の適切な作成と管理は、プロジェクトの成功に不可欠であり、元請け企業と下請け企業の間の信頼関係を築く上でも重要な書類です。

第1号ー甲ー別紙 外国人建設就労者等現場入場届書

外国人建設就労者が日本の建設現場で働く際、彼らの安全と適切な環境を確保するためには、特定の手続きが必要です。

このプロセスの一環として、外国人建設就労者現場入場届出書が求められます。

この書類は、就労者の基本情報、技能、経験などを記載することで、現場での安全対策や適切な業務配分を助けます。

また、この提出書類は、受け入れる企業が外国人労働者に対して適切なサポート体制を提供しているかを確認するための重要な指標となります。

例えば、言語の壁を乗り越えるための通訳サービスの提供や、安全教育プログラムの実施など、外国人労働者が安心して働ける環境が整っているかが問われます。

第1号ー乙 下請負業者編成表

下請負業者編成表は、プロジェクトに関わる全ての下請負業者の関係性と契約の流れを明確にするための重要な書類です。

この表によって、一次下請企業がどのように二次、三次といったさらに下のレベルの下請企業と関わっているかが一目でわかります。

再下請負通知書に比べて情報は絞られており、主要な情報としては企業の名称、それに加えてプロジェクトの安全を担保する安全衛生責任者や技術的な指導を行う主任技術者の名前が挙げられます。

この書類の作成は一次下請企業の責務であり、それ以下の下請企業にはその作成義務がありません。

しかし、プロジェクトの透明性と効率性を高めるためには、全ての関係者がこの表を理解し、適切に活用することが重要です。

このように、下請負業者編成表は、プロジェクトの全体像を把握し、各下請企業間のコミュニケーションを促進するための書類とも言えるでしょう。

第2号 施工体制台帳作成建設工事の通知

施工体制台帳作成建設工事の通知は元請けが作成する書類です。

施工体制台帳に基づいて、「施工体制台帳作成建設工事の通知」が作成され、元請け会社から一次下請け会社へと交付されます。

この通知書は、工事現場の管理事務所や会議室など、関係者が頻繁に集まる場所に掲示しなければなりません。

そうすることで、プロジェクトに関わるすべての人々が、工事の進行状況や担当企業を一目で確認できるようになります。

第3号 施工体制台帳

施工体制台帳はは元請けが作成する書類です。

施工体制台帳は、建築や土木工事に携わるすべての企業とその従業員の情報を網羅した重要な書類です。

この台帳には、主契約者から最も下位の孫請け企業まで、工事に関与する全員の名前と彼らが担当する施工範囲が詳細に記載されています。

この台帳の作成と保持は、建設業法によって厳格に規定されており、特に下請け契約においては不可欠なプロセスとされています。

公共工事や民間工事を問わず、下請け金額が一定の基準を超えるプロジェクトには施工体制台帳の作成が義務付けられています。

具体的には、建築一式工事であれば7,000万円以上、それ以外の工事では4,500万円以上のプロジェクトが該当します。

この台帳を適切に管理することで、工事の透明性が保たれ、万が一の問題発生時にも迅速に対応が可能となります。

第4号 工事作業所災害防止協議会兼施工体系図

工事作業所災害防止協議会兼施工体系図は「施工体系図」や「体系図」と呼ばれ、工事プロジェクトにおける元請け会社や下請け会社といった複数の企業間の関係性や、それぞれの担当する施工内容を明確に示す重要な書類です。

これも元請けが作成する書類です。

この体系図を用いることで、プロジェクトに関わる全ての関係者が、誰がどの部分を担当しているのかを一目で理解することが可能になります。

特に、公共工事の場合、工事現場を訪れる工事関係者や一般の人々が容易に情報を得られるよう、目立つ場所に施工体系図を掲示することが義務付けられています。

民間工事でも同様に、関係者がアクセスしやすい場所に掲示することが求められ、プロジェクトの透明性を高めるために役立てられています。

第5号 作業員名簿

作業員名簿には、参加する作業員の詳細情報が記載されており、名前や住所だけでなく、持っている資格情報も含まれています。

これにより、現場監督は、工事に携わる人々のスキルセットを正確に理解し、適切なタスクを割り当てることが可能になります。

また、作業員名簿は安全管理の観点からも極めて有用です。

万が一、事故が発生した場合、迅速に対応するためには、現場にいる全員の情報を把握しておく必要があります。

このように、作業員名簿は単なるリスト以上の役割を果たします。

それは、効率的な人員配置、安全管理の強化など現代の工事現場において重要な基盤となっています。

第7号 新規入場時等教育実施報告書

建設現場での安全は極めて重要で、作業員が現場に入る前に、安全衛生教育を徹底して行うことは不可欠です。

この教育を受けたことを証明し、さらにはその内容を共有するために、「新規入場時等教育実施報告書」が用いられます。

この報告書は、作業員が安全に関する知識を習得し、現場でのルールや手順を完全に理解していることを確認するための重要なツールです。

「新規入場時等教育実施報告書」には、教育を受けた日付、教育の内容、参加した作業員のリスト、教育を実施した担当者の署名などが記載されます。

さらに、教育の具体的な内容についても詳細に記され、作業員が安全装備の正しい着用方法、緊急時の対応プロトコル、危険物質の取り扱い方など、現場で必要とされる全ての安全対策を理解していることを示します。

第8号 安全ミーティング報告書

建設現場における安全対策は、作業員の生命を守るために不可欠です。

その一環として、安全ミーティング報告書が極めて重要な役割を担っています。

この報告書は、現場での潜在的なリスクを特定し、それに対する予防措置を記録する文書であり、万一の事故が発生した際には、適切な安全管理が行われていたことを示す証拠となります。

具体的には、報告書には、作業中に発生する可能性のある落下、衝突、電気ショックなどのリスクが詳細に記載され、それらに対する予防策も同様に記録されます。

例えば、高所作業では安全ハーネスの着用が義務付けられ、電気作業には適切な絶縁手袋と工具の使用が求められます。

第9号 移動式クレーン / 車両系建設機械等使用届

工事現場において、移動式クレーンや車両建設機械などの重機を使用する際には、適切な手続きが求められます。

このプロセスの一環として、持込機械等使用届の提出が必要になります。

この書類には、使用される機械の種類やモデル、さらには操作を担当する人物の資格や経験に関する詳細が記入されます。

提出に際しては、機械の仕様や操作者の資格証明書のコピーなど、必要な書類を添付する必要があります。

また、工事期間中に機械の追加や変更が生じた場合には、速やかに届出内容の更新が求められます。

この手続きを適切に行うことで、工事現場での安全性の確保はもちろん、環境への影響を最小限に抑えることが可能となります。

また、工事の効率化にも寄与し、プロジェクトの成功に不可欠な要素となっています。

第11号 有機溶剤・特定化学物質等持込使用届

有機溶剤や特定化学物質の使用にあたり、安全管理が非常に重要です。

これらの物質を取り扱う際には、適切な手続きを踏む必要があります。

その一環として、「有機溶剤・特定化学物質等持込使用届」の提出が求められます。

この届出は、作業を行う前に、使用する有機溶剤や化学物質の種類、量、使用する日時、場所などを明記し、元請企業に提出し承認を得るためのものです。

この手続きにより、元請企業は作業現場での有機溶剤や特定化学物質の使用状況を把握し、事故防止や環境保護のための管理を行うことが可能になります。

また、万が一の事故が発生した際には、迅速な対応や原因究明がしやすくなります。

参考様式第3号 安全衛生計画書

工事現場の安全と衛生を確保するためには、適切な計画が不可欠です。

その中心となるのが「安全衛生計画書」であり、この文書には、現場に潜む様々なリスクを特定し、それらをどのように管理・回避するかの具体的な方策が記載されています。

この計画書の策定により、労働者の健康と安全を守ることが可能となります。

安全衛生計画書には、工事現場特有の危険や健康リスクを洗い出し、それらに対処するための詳細な対策が含まれています。

例えば、高所での作業や重機の使用に伴う危険、化学物質の取り扱いによる健康被害など、さまざまなシナリオに基づいてリスクを評価し、適切な予防措置や緊急時対応計画を立案します。

また、安全衛生計画書では、定期的な安全教育や訓練の実施スケジュールも設定されます。

これにより、労働者自身がリスクを認識し、危険を未然に防ぐスキルを身につけることができます。

参考様式第6号 持込機械等電動工具・電気溶接機等使用届

工事現場において電気工具や電気溶接機などの機械を持ち込む際、安全性を保証し、事故を未然に防ぐ目的で「持込機械等使用届」の提出が必須となります。

この書類は、機械が事前に適切な検査を受け、安全基準に適合していることを示すものであり、作業現場での安全確保に不可欠です。

提出されるこの書類は、工事現場での機械使用にあたり、関係者全員が安全意識を共有するための重要な手段となります。

特に、電気工具や電気溶接機は、不適切な使用や管理が事故に直結する可能性が高いため、これらの機械の持ち込みに際しては、厳格なチェックが求められます。

参考様式第8号 工事・通勤用車両届

工事現場では、日々、多数の車両が出入りします。

特に大規模なプロジェクトでは、様々な企業からの車両が集まり、その結果、現場周辺での渋滞や事故のリスクが高まります。

これらの問題を未然に防ぐためには、工事用・通勤用車両届の役割が非常に重要です。

この書類を活用することで、各企業の車両が現場に出入りする台数などを適切に管理し、スムーズな作業の進行と安全な環境の確保が可能になります。

さらに、工事用・通勤用車両届には、車両の種類や数量、搬出入する具体的な時間帯など、詳細な情報が記載されています。

これにより、現場管理者は正確な車両の流れを把握し、効率的な現場運営を行うことができます。

また、緊急時には、この書類が迅速な対応に役立つこともあります。

参考様式第9号 火気使用願

火気使用届は、火を使用する工事現場での安全を確保するために不可欠な書類です。

この書類には、使用する火器の種類、使用場所、そしてその管理方法について詳細に記載されています。

このプロセスを通じて、工事現場での火災や事故のリスクを最小限に抑えることが目的です。

関係機関が安全対策を確認し、必要に応じて指導やアドバイスを行うことができるのです。

グリーンファイルについてよくある質問

グリーンファイルについてよくある質問をまとめました。

グリーンファイルとは?

建設現場での安全を確保し、責任の所在を明確にするために、下請け企業が元請け企業に提出する書類群の総称です。

これらの文書には、工事に関わる重要な情報が含まれ、安全書類とも呼ばれています。

グリーンファイルはいつ作成すればよい?

基本的に、安全を確保するためには、工事が開始される前にこれらの書類を準備し、提出する必要があります。

万が一、工事が始まってから書類の内容に変更が必要になった場合は、速やかに更新し、再提出することが求められます。

そのため、事前に準備を進め、必要に応じて迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

グリーンファイルの書式は決まっている?

グリーンファイルは、建設業界における重要な文書管理ツールの一つであり、その書式は統一されていないという特徴があります。

多くの場合、「全建統一様式」という全国建設業協会が推奨するフォーマットが使用されることがありますが、この標準化された形式でさえも、プロジェクトを主導するゼネコンの方針によって変更されることがあります。

したがって、グリーンファイルの書式は、プロジェクトごとに異なる可能性が高いです。

ただし、グリーンファイルに記入されるべき基本的な情報は、建設現場ごとに大きく変わることはありません。

まとめ

グリーンファイルは、作業現場の安全確保と業務の効率化を図る上で欠かせない文書として、建設業界で広く利用されています。

この文書には、安全管理や作業手順など、現場での作業を円滑に進めるための重要な情報が記載されており、作業員の安全を守りながら業務を効率的に進めるための指針となります。

建設業法に基づき、グリーンファイルの作成及び保管は法的に義務付けられているため、建設業に携わる企業や作業員は、これらの書類を適切に管理することが求められています。

グリーンファイルの内容やフォーマットは、時代の流れや技術の進歩に伴い変化する可能性があります。

そのため、常に最新の情報を取り入れ、文書の内容を更新することが重要です。

グリーンファイルは、建設現場での安全と効率を確保するために不可欠なツールです。

法的な義務だけでなく、作業員の生命と健康を守り、事故を未然に防ぐための重要な役割も担っています。

したがって、グリーンファイルの適切な管理と活用は、建設業における円滑な業務遂行を実現するために、絶対に欠かせない要素であると言えるでしょう。


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