2級技士補の資格を取ることにメリットはあるのか?
2020年10月の建業法の改正により新設された技士補ですが、2級の技士補の資格を取得することにメリットはあるのでしょうか?
今回は2級技士補のメリットについて確認してみました。
2級技士補の資格を取ることにメリットはあるのか?
2020年10月の建業法の改正により、2021年4月から技士補の資格が新設されました。
技士補とはその名の通り、施工管理技士を補佐する役目を持つ資格です。
技士補は1級、2級それぞれにあり、その役割も違います。
役割の前に技士補の資格はどうやったら取れるかについて説明します。
技士補の資格の取得方法
技士補の資格は施工管理技士の資格試験の第一次試験に合格することで取得できます。
第一次試験とは、以前の学科試験の事になります。
以前は、
- 学科
- 実地
の二つに分かれていたのですが、2021年4月からこの学科、実地が
- 第一次検定
- 第二次検定
と名称が変わりました。
分かりやすいですね。
そして、この第一次検定に合格するとその時点で、技士補の称号が与えられることになります。
ちなみに、以前の学科では合格しても、特に何の称号も与えられませんでしたので、良い改正ですね。
で、さらに良いことがあって、第一次検定に合格するとその効果は永年有効となりました。
以前の学科では、学科試験を合格し、実地試験の結果が不合格だった場合、その学科試験が免除されるのは翌年まででした。
それが無期限になったので、第一次検定に合格していれば、ずーっと、次回は第二次検定から受験できます。
技士補の役割
そして、技士補の役割についてです。
1級、2級でそれぞれ以下のような役割になっています。
- 1級技士補:監理技術者の補佐として配置されることにより、監理技術者配置義務が緩和される
- 2級技士補:特になし
1級技士補の場合の「監理技術者の配置義務が緩和される」は、現場に補佐を配置すると監理技術者は2つまでの現場を見ることができるようになりました。
この緩和は結構インパクトが大きかったので、話題になりましたね。
そして、2級技士補の役割ですが、残念ながら実務としてのメリットは特にありません。
では、本当に2級技士補の資格を取得することにメリットはないのか?と言うと私はそうでもないと思うのです。
2級技士補の資格を取得することによるメリットとは?
2級技士補の資格を取得することのメリットは以下のようなことが考えられます。
- 受験勉強により施工管理のための知識を得ることができる
- 「技士補」の称号を得ることができる
- 仮にブランクがあっても第二次検定から受験できる
そして、ここからが一番重要で、
- 経営事項審査での加点になる
です。
ただ、2級技士補の資格だけでは、加点の対象にはなりません。
CPD(Continuing Professional Development)で単位を取得することで加点の対象になります。
そのため、2級技士補+CPD単位で初めて加点対象になることになりますが、以下の理由から大きなメリットと考えられます。
- 本人:就職に有利
- 企業:経営事項審査の点数アップ
2級技士補の資格は、言ってしまえば第一次検定さえ合格すれば取得することができるものです。
17歳以上であれば受験できるので、高校在学中に技士補になることもできるわけです。
「技士補です」と言えればそれだけでも就職に有利になることは間違いないでしょう。
まとめ
経営事項審査や就職に有利、技士補の資格は永年有効などをメリットとして挙げて解説しましたが、技士補の資格取得の最大の意味は
施工管理の知識を身につけることができる
ことに尽きると思います。
建設業に限らず「資格やらなんやらが有利、メリットがある」みたいな話が巷にあふれていますが、本質は資格を持っていることよりも、その資格を取得するために得た知識が重要なわけです。
なので、2級技士補であってもその「資格を取得するための知識を得ることができたこと」が一番のメリットだと思います。
当記事の執筆に参考とさせていただいたサイト
十数年前に1級施工管理技士の学科を合格しましたが、実施試験が不合格でした。この場合1球技師補として扱われるのでしょうか?